(左:フラッツ 久末、右:Digital-Free株式会社 柴田代表)
Magento事業者のインタビュー第2弾として、今回はDigital-Free株式会社 代表の柴田さんにお越しいただきました。このサイトでは、日本ではまだMagentoを取り扱っている事業者の数が十分とはいえない中、既にMagentoの構築サービスなどを展開している事業者を紹介しています。柴田さん、よろしくお願いします。
柴田よろしくお願いします。
久末早速ですが、Digital-Freeさんは、海外製のエクステンションの販売であるとか、エクステンションを利用した構築サービスの実績が急速に伸びているような状況だと思いますが、改めてDigital-Freeさん、柴田さんのご紹介をお願いできますか。
柴田私自身、もともとはサラリーマンやっていて、ずっと技術者ですね。特に技術分野としてはサーバーアプリケーションや、特にインフラの方が強かったんですけど。あとは、年齢的なこともあってか、PMみたいなことをずっとやっていたりとか、営業みたいなこともやっていたりとかですね。
久末いまもエンジニアということですね。
柴田なるべく手を出さないようにしてますが、負荷状況によっては手を出すこともありますね。
久末Digital-Freeさん自体は、もうMagentoしかやっていないんでしたっけ?
柴田いまはそうなっています。ただ既存のお客さんで継続的な取引もありますが、9割以上Magentoですね。現状として。
久末いま柴田さん以外にどういった方がいらっしゃるんですか。
柴田最近、一人、日本人が増えたんですけど(笑)。うちのおかしなところなんですけど。いま4人外国人がいて、外国に住んでいます。直接会ったことがない人もいます。こういったご時世なので、チャットだけで仕事が回るということもありますし。いままでずっと私が日本でずっとお客さんと折衝やっていますが、おかげさまで、仕事も増えてきたので、最近日本人を増やして、日本人2人体制でやってます。対外的にもその部分は懸念されていたこともあったので、それに対応する体制が作れたという状況です。
会社はどちらに。
柴田会社は愛知県日進市が本社ですね。
久末で、仕事は東京の方が多い。
柴田そうですね。愛知県のお客さん1社だけですね。で、大阪がちょこちょこっとあって、フラッツさんから引き継いだところがあって、あとは全部東京・関東圏ですね。
久末愛知に本社があって、柴田さんは東京に出張してお客さんに会っている?それとも全部インターネットですか?
柴田インターネットの比重の方が多いですね。結構メールだけで回っちゃたりもするので。SkypeとかFacebookのチャットとかもよく使うんですけど、お客さんがOKならそれでやりとりすることも多いですね。
久末インターネット寄りということですが、お客さんが直接会って打ち合わせしたいとなった場合はどうなるんですか?
柴田打ち合わせしたい場合は、いままで100%、私が出向いてますね。日本全国どこでも。
久末東京に限らず。
柴田東京に限らずですね。愛知県ってわりと大阪に近いので日帰りでも行けてしまうので、大阪だったらさっといけました。ただ、東京がちょっと遠いので、東京に行ってすぐもどるのではもったいないので、必ず何社かまとめて打合せいれて回らせて頂いています。
久末今まで一番遠いところはどこですか?
柴田新潟じゃないですかね。実家が新潟で、新潟にもお客さんがいるので、飛行機で行きますね。こんど高速バスを使ってみようと思ってますけど。飛行機だとどうしても高いので(笑)
久末なるほど。じゃ、いろいろな交通手段を使って、直接会ってお話しすることもなさってるんですね。愛知県に本社がありながら、東京や大阪といったところにもお客さんがたくさんいて、時には日本全国を回るようなこともなさっているんですね。
柴田そうですね(笑) あと、海外のお客さんも少しいます。台湾とハワイなど。
久末その場合は、完全にオンラインですか?
柴田海外のお客さんでも運営者は日本人なので、日本に戻ってきたときは直接会うこともありますね。
久末海外のお客さまも含めて、地理的条件に制約を受けずに展開しているということですね。
柴田そうですね。新しい日本人の彼も実はいま福岡にいるので、距離を考えると遠いですけど、インターネットがあると無いのでは全然違うと思いますね。あまり距離を感じないですね。うちの会社の場合、デフォルトがバラバラというのがあるので、何も苦になってないんですよね。
海外の開発者はどちらにいるんですか?
柴田パキスタンとカンボジアに。
久末パキスタンとカンボジア(笑)。あまり馴染みがないですが、コミュニケーションは何語でやるのですか?
柴田英語ですね。いま総勢6名ですが、日本語の話者は3人しかいなくて、英語は全員できる。となると英語しか選択肢がないです。だって彼らはクメール語とウルドゥー語ですからね(笑)ウルドゥー語なんて右から左に書きますからね。
久末完全に分からないですね。それで、みなさん共通語である英語でコミュニケーションしながら仕事を進めているということですね。
柴田そいうことになりますね。
久末採用はどうやってるんですか?
柴田それもまた、Facebookとかなんですよね。Facebookで募集しているわけじゃないんですが、パキスタンの彼は、自分で見つけたみたいなんですね、私のことを。私たまに英語でコンテンツを投稿したりするんですが、それをみたんでしょうね。
久末Facebookに英語の投稿していたら、応募が来ちゃうってことですか?(笑)
柴田うちの会社のFacebookページがあるんですが、それをみたんじゃないかと思いますね。一度も聞いていないんですが。
久末じゃ、飛び込みという感じなんですね。
柴田そうです。もともとは、日本で働きたいという相談を受けて、ちょっと探してあげたんですがみつからなくて、で、あなたのところで働けないのと聞かれて、じゃやってみる?という話になって、いままで働いてるんですね。
久末なるほど(笑)
柴田それで、しばらくはそのパキスタンの彼と私の二人三脚状態がずっと続いていたんですけど、それから急に6人になってますね。カンボジアは会社を立ち上げたときに、カンボジアで焼き鳥屋があたったおじさんに、東南アジアが熱いから行ってみろといわれてですね。で、行ってみたときに、面白かったので、何回か通ったんですね。ビジネス的なチャンスがないかと思って。IT関連の会社なんかも視察して。で、人の繋がりだけできたんですね。ただ特にビジネスにはならず放置してたら、日本の仕事が増えてきたんで、カンボジアの人たちで開発をやれる人がいないかというのを、その知り合いに聞いたら、知り合いの知り合いの知り合いの人みたいなたちがボコボコ集まってきて、そんな状態が今ですね。だから、誰かいない?っていうと、探してきてくれるんですよ(笑)。
久末繋がりで(笑)すごい世界ですね。それで、国際色豊かというか。
柴田そうなっちゃったんですよね。めちゃめちゃグローバルですよね。そういう意味で言うと。
久末グローバル企業というと、とても大きな会社をイメージしますけど、もういまや、最初の時点でいきなりグローバルなメンバーでスタートできる時代ってことですね。
柴田そうだと思います。もちろん、何十年と続いている会社がやるのは難しいと思いますが、設立2013年だからいま5年目なんですね。そういうのが大きいんじゃないですか。既にインターネットを使いこなして、ソーシャルネットワークがあるという状態から立ち上げた会社なので。
なるほど。そういった国際色豊かなメンバーがいる中で、日本人が2人いて、実際どういったお仕事をしているんでしょうか。
柴田お客さんの業種的にはメーカーさんが多いですね。流通・小売りのお客さんも多いんですけど、比重としてはメーカーさんが多いですね。
久末ECということですよね。Magentoを使ったサイトの。
柴田そういうことですね。
久末Magentoを使った越境ECなんですか?それても国内向けEC?
柴田両方ありますね。国内だけもあれば、海外だけの場合もあるし、両方というのもありますね。
久末それは、どういう風にサイトを構築なさるんですか?フラッツの場合は基本的にMagentoをベースにカスタマイズするという案件が多いのですが。
柴田お客さんがこういうものを作りたいんだというお話があって、まずはじめにそれに合ったMagentoのエクステンションがないか探して、合いそうなものが見つかっても、そのエクステンションが実際に使えるかかどうかというのは実際に買わないと分からないんですね。ただ、ある程度はエクステンションベンダーのサポートでカバーできる部分もあると思っていて、ベンダーに機能について問い合わせしたときにレスポンスの早さとか丁寧さとか説明のわかりやすさというのから使えそうだと判断したら、お客さんにこういう感じで使えるんじゃないかと、なるべくカスタマイズしない形で提案しますね。要件にあったエクステンションがある中で、あえてカスタマイズを選びますか?と聞いて、カスタマイズを選ぶお客さんは今のところいないので、必然的にエクステンションを使うことが多いですね。
久末エクステンション導入をベースに構築する場合のメリットは何ですか?
柴田メリットは、色々あると思いますが、コストは安く、時間は短くなりますし、エクステンション自体の保守はベンダーがやってくれるので、お客さんが自分たちでカスタマイズした場合のように自分たちで保守しなくて良いですね。例えばセキュリティ的な問題があった場合は、ベンダーの方でアップデートのパッチを作ってくれますね。そういうところが大きいですね。あとは、ユーザが多いエクステンションの場合は、世界中のユーザがテストして、みんなでバグをつぶしているというような状態になりますしね。
久末人気のエクステンションであれば、使っている人数が圧倒的に多いので、セキュリティ的にも使い勝手などもメリットがあるということですね。
柴田そうですね。エクステンションを選ぶ基準として、ダウンロード数とか販売数というのは重要ですね。そういう数が少ないエクステンションは怖いですね。
久末そういう海外のベンダーが開発して販売しているエクステンションの目利きをして、良さそうなものを見つけてきてお客さまの要望にあわせてインストールしたり調整したりするということですか。
柴田そういうのもありますし、海外のベンダーとアライアンスを組んで、販売代理店をやっているというのもあります。
久末いまはどこの販売代理店をやっているんですか?
柴田Aheadworks、Webkul、Amasty、Plumrockets、Mage Storeですね。
久末Aheadworksといえば、Magentoのエクステンションといったらまず挙がってくるところですよね。ただ、ここのサイトは英語しかないですよね。Digital-Freeさんのところで売っているのは、日本語じゃないですか?あれはどうやってるんですか?
柴田あれは、要するに翻訳してるんですよね。自社で。いまは翻訳家に依頼してやってもらっています。
久末どれくらいの数があるんですか?
柴田代理店契約して販売しているラインナップでいうと、翻訳済みでいうと40以上。代理店契約が無くて、都度翻訳しているパターンもあるので、そういうのも入れるともっと多いですね。
久末そんなにあるんですか。ということは、柴田さんが既にみているエクステンションの数はかなりあるってことですよね。かつ、中身をみて翻訳しているものが40以上あると。今販売しているエクステンションは結構売れているんですか?
柴田実は、あのサイトはMagentoで作ってあって、買えるようになっているんですけど、あそこでそのまま購入された件数は0ですね。無料のブログエクステンションが時々ダウンロードされるという感じで。
久末そうなんですか。
柴田ほとんどのユーザは、企業なので、見積もりくださいという連絡がきて、販売契約をするような形になりますね。
久末ということは、エクステンションストアが営業窓口のようになっているのですね。
柴田完全にそうですね。やっぱりエクステンションだけというのはほとんど無くて、Magentoそのものに関しての相談というのが必ずあるんですね。ですので、入り口になってるんですね。
久末日本だとエクステンションをぽんっと買って、Magentoに入れるというよりは、Magentoの詳しい人に「このエクステンションを入れたいんだけど」と相談してるという感じなんですね。
柴田あとは、Magentoって欧米圏でよく使われているプラットフォームで、欧米圏のマーケティングの技術的な部分で、例えばコンバージョン率上げるとか、集客率上げるかそういったエクステンションがたくさんあるのですが、日本ではそういうことをやっているサイトは実はないから、そもそもお客さんの要望として上がらないんですよね。だから、そういう場合は、こういうのがあるんですがどうですか?という形で提案したりしますね。
久末なるほど。つまり、Magentoの世界についてまだ日本のユーザには認知されていないということですね。例えば、エクステンションを使って構築ができたり、それが割と安くできるパターンもあるし、フラッツのように自社のエクステンションをベースや実績のあるエクステンションを中心に使って、それ以外は基本的にカスタマイズしていくようなパターンもあると。そういうMagentoを使った構築パターンの幅について認知が広まりつつあると思うんですけど、Magentoって何が良いと思ってはじめたんですか?
柴田はじめたのは、さっきお話ししたカンボジアに行って、何かビジネスができないかと考えたときに、昔日本のインターネットで「売ります」「買います」みたいなサイトって結構あったと思うんですけど、いまカンボジアにはあれぐらいのサイトしか無いんですよね。ものを流通させるときに。日本でいう楽天とかAmazonとかがカンボジアにもあれば良いんじゃないかと思って、それを簡単に作れるパッケージとして見つけたのがMagentoだったんですよね。
久末じゃ、ご自身で使おうと思って見つけたのが最初だったんですね。
柴田そうですそうです(笑)。だけど、よくよくみてみると、これはそういうものじゃないんだなと分かって、でもいじってたら、すごいなこれと思って。それで、最初に勉強させてもらいたいので、ECサイトを作りたいお客さまを探して、勉強兼ねてやらしてもらって、そこからどんどん、Magentoの知識も成熟させつつ今に至っているという感じですね。
お客さまに勧めるときに、なぜ他のパッケージじゃなくて、Magentoが良いと勧めてますか?
柴田例えば、実現したいことが他のプラットフォームだとカスタマイズしないといけないことが多いと思うんですよね。だけど、Magentoの場合だと、本体の機能がものすごい多くて、それでまかなえることも多いし、さらにエクステンションが増えてくると、かなりの幅をカスタマイズ無しで行ける。となると、いいね、となることが多いかなと。うちの戦略的な意味で言うと、カスタマイズしなくていいということにつきるのかなと。
久末そこがDigital-Freeさんの提案のスタイルになっているということなんですね。Magentoをコツコツカスタマイズするよりは、エクステンションをぱぱっと組み合わせて、まずそれでスタートしましょうと。それでも必要なところは、更にエクステンションを探すか、ちょっと調整しましょうという形で、スピード感をもって構築できるということですね。
柴田はい。だから、カスタマイズの仕事も、エクステンション自体のカスタマイズが多いですね。エクステンションで8割の要件を満たして、残りの2割をカスタマイズみたいなケースが多いですよ。ですから、エクステンションを丸々一から作ることはほとんどやったことがないに等しいですね。
久末我々は逆に、エクステンションは信頼できる限られたベンダーのものを使うんですけど、エクステンションをぼんぼんいれて、上手くいかなかったというパターンはないんですか?
柴田もちろんあります。やっぱりカスタマイズし出すと、暴れ出しますよね(笑)。カスタマイズはそのお客さんのためだけのものなので、テストの密度が粗くなると思うんですね。パッケージとして完成されている状態に手を出してしまうと。そこで予期せぬ状態になることはありますね。
久末となると、先ほどのエクステンションで8割の要件を満たすという話が、6割とか5割になってしまうとそういう事が起きやすいということですね。
柴田はい。起き得ると思いますね。
久末じゃ、エクステンションを入れるのであれば、それだけで要件が達成できそうなものを選んでくるというところが一番大事ですよね。
柴田そうですね。例えば、ポイント関連のエクステンションってたくさんありますけど、その中でもポイントの使い方って微妙にお客さんによって違うので、その要件にあったものを選ぶことが重要ですよね。
久末その「ちゃんと選ぶ」を失敗すると、上手くいかないということですよね。
柴田そうですそうです。でも、そのちゃんと選ぶというプロセスがあるから、そのベンダーがどれくらいやってくれるのかといった評価ができるんですよね。
久末単純にうちがエクステンションをどこからか調達してきて構築するというスタイルは、できそうにないと思っていて、要はその目利きの部分、つまり、いいエクステンションを、ものすごいたくさんあるものの中からピックアップしてくるところがDigital-Freeさんの強みなのかなと思いました。
柴田もともとエクステンションありきで考えているところはあるので、Magento Connectとにらめっこしているというのはやってますよね。トップのエクステンションとか人気があるのはどれとか、キーワードで検索して、こんなのあるのかとかね。あとはお客さんの要望から、こんなのあるんだという気づきを得ることもあります。
久末圧倒的にエクステンションを見てるってことですね。
柴田たぶんそうですね(笑)。あれを見てるのが好きなんですよね。
好きなんだ(笑)
柴田好きなんですよ(笑)。あれをみながらウヒョウヒョいってますからね。一人で。それですごいのを見つけると、誰かに言いたくなるんですよ。
久末結果的に、そのエクステンションを使ったらどうですかという提案に繋げちゃうということですね。
柴田そうですそうです。だから、先ほどの一度も売れてない「オンラインストア」というのもありますけども、基本的に自分で売るためにあるというよりは、これお客さんに使ってもらえそうだなと思って出しているんで。そんなこと考えながらウヒョウヒョいってるんですね。
久末そこが柴田さんの強みですね(笑)
柴田狙ってやってるというよりは、そうなっちゃったというのが実際のところですけどね(笑)
久末はい。先ほどのはまるパターンとそうでないパターンがあるということはあると思いますが、ここ数年でMagentoの案件が増えている中で、フラッツに声を掛けてもらったじゃないですか。結果的にいま一緒にいろいろなことをやらせて頂けるようになって、私自身もありがたいのですが、そもそもなんでフラッツに声を掛けてくださったんですか?
柴田いろいろと、うちじゃ絶対にさばけない大きな話が聞こえはじめてきたので、フラッツさんなら、ずっと拝見させて頂いていたし、勉強させてもらってますし、それでこの会社さんならやってもらえそうだなと思ってました。
久末フラッツだと、エクステンションを組み合せて、お客さまの予算に合わせて提案するというのがのができてなくて、Digital-Freeさんだとそれができるということが、すごくありがたいと思っているのですが、一緒に仕事をするに当たって、メリットとかデメリットってありませんか?
柴田私は、Magento自体をフラッツさんのサイトで宣伝してもらってるという認識で、そのおかげでMagentoが浸透していって、仕事が落ちてきているということは間違いないと思ってるので。
久末なるほど。フラッツのサイトがマーケット自体を作っているという認識なんですね。
柴田ええ。やっていただいてますよね(笑)。うちはそんなにコンテンツを配信していないので。
ただ、同時に、競合にもあたるわけじゃないですか。そこはデメリットもあるんじゃないですか?
柴田どうなんですかね。たぶん、お客さんの属性が違うのかなと思いますね。フラッツさんと、うちに同時に相談しているお客さんて、当然いると思うんですけど、記憶に残るようなコンペ状態になったことは無かった気がしますね。だからそういう意味だと競合になってないですよね。
久末依頼する側の層がちょっとずれてるんですかね。
柴田うちの場合、お客さんがエクステンションから入ってきているというのが大きいかも知れませんね。
久末なるほど。ベースとなるMagentoサイトがあって、エクステンションを探すときに、Digital-Freeさんのサイトにたどり着いているから、かぶらないのかも知れませんね。
柴田うちのサイトはMagentoというキーワードだけでは上位に来てないんですね。だから、Magentoと他のキーワードで探してうちのサイトを知ってもらっているんじゃないですかね。
久末これまで、2社で協力して提案するという話はありましたけど、ぶつかるということはありませんでしたね。 フラッツでも、提案するときに、柴田さんがこのエクステンション使えばできるんじゃない?とおっしゃってくれるので、予算が難しいときに柴田さんに相談して、いいエクステンションをつかってできないかという提案をすることがありますね。
柴田うちで使っていて、いいというのがね。実績があるのが良いですよね。
久末そうなんですよね。Digital-Freeさんが別の案件で既に試されたもので、さらに柴田さんに相談しながら導入できるというのが大きなメリットとしてありますね。
柴田逆に言うと、危険なやつも分かってますしね(笑)この会社のはちょっと危ないんじゃないかと。
久末確かに(笑)そういった形で協業関係がうまくいってるというのは割と不思議ではあるんですが、解き明かしてみると意外と分かりやすい原因だったのかも知れませんね。 さて、ここまでざっとこれまでのお話を聞いてきたんですけど、いま総勢6名でやっていらっしゃるということですが、今後はどのような展開を考えていらっしゃるんですか?
柴田おそらく、Magentoは今後もどんどん日本で増えていくと思うし、お客さんもグローバルな会社さんだと本社の方がMagento入れろという話が落ちてきてたりするので、私たちがMagentoというものを広めていなくても広がっているところはあるので、しばらくはMagentoオンリーで回っていけるだろうなと考えてます。
久末今のスタイルで。
柴田そうですそうです。もし増えれば、そのままカンボジアで10人増えるとか、そういうことが全然あり得ると思います。
久末基本的に開発スタッフは海外の繋がりを利用して増やしていくと。
柴田そのほうが楽だと思っていて。もちろん、給与(人件費)という面もありつつ、Magentoの情報が英語が主体だったら、英語が分かる人の方が話が早いというところが大きいですね。自分で調べてねで終わるので。エクステンションベンダーとの折衝もありますしね。英語の方がMagentoをやっていく上では、楽だと思ってますね。
久末海外にエンジニアがいるメリットが、エクステンションを探してくるということに繋がってるということですね。
柴田後付けですけど、海外の開発者そのものがエクステンションかも知れないですよね(笑)人というエクステンション。
久末海外のエンジニアがエクステンション(笑)。完全に技術者の発想ですね(笑)
柴田営業機能とかは日本人である必要があると。そうでなければ、英語の方が全然回ることになっちゃってますね。
久末なるほど。海外の情報も当然英語が多いので、よくご存知でしょうしね。
柴田ちょっと話が飛んでしまいますが、越境ECってただ英語で載せたらいいかといったらそいうじゃないですからね。本当にローカライズしないとダメなのないので。言語だけじゃなくて。そういう意味で言うと、うちはパキスタンとカンボジアの情報ってすぐに取れるんですけど、そこに住んでいる人から情報を得ないと、的外れなものしかできないと思うんですよね。
久末柴田さんと一緒に商談させていただいた時に、海外に売るEC、本当に現地に特化していくときの知見をお持ちだなと思ったんですね。やっぱりそういうのは海外との繋がりがあるからこそ、うまれる知見ですよね。
柴田そうですね。あとは海外に住んでいる日本人の知り合いが多いというのもありますね。私が全然知らない国、みんなが良くいくタイとかだと、私は全然わからなくて。最近ECが伸びているという情報もありますが。日本の企業がタイ向けのECを作りたいという話が増えているみたいですね。
久末柴田さんの繋がりが越境しているから、その”越境力”を活かしてMagentoで海外向けのECをご提案されるときに、現実味があるんでしょうね。
柴田それはそうかもしれませんね。
久末しかも、ご提案されているのが、リーズナブルな価格になっていると思うので、ちょっとはじめてみようというぐらいでも、はじめられるのはDigital-Freeさんに依頼するときのメリットだなと思いますね。そういうところが将来的にスケールするんじゃないかなと個人的には思っていて。
柴田でもどこかに限界が来るような気もしていて。同じようなことをしている会社って無いんですよね。私がモデルにしているような会社もないですし。だから、どこかで破綻するかも知れないですけどね(笑)ただ、わからないのでいけるところまでいきたいですね(笑)。 もし、これが理想的な形だったら、Magentoではなくても、いろんな日本の企業にも持って行けるスタイルでもありますよね。
久末海外というかグローバルスタンダードな働き方だと、地域に縛られず、時間に縛られず、スキルとアウトプットで繋がっていって、プロフェッショナルな仕事が成り立つという状況だと思うんですね。毎日通勤して、時間や場所に拘束されてというよりは、海外の働き方にあわせてるという感じはするんですよね。
柴田そうなのかもしれないですね。彼らもうちに来てもらう前は、普通に会社勤めしてた人たちなんですよ。でも、うちがカンボジアとかにオフィス持っていないので、彼らは自宅とかでやってるんですよね。
久末日本だと働き方改革とかいってますけど。
柴田うちは改革してないですよね。最初っからそうなんですよね。(笑)
久末それがすごく先に進んでいるのか、単に、Digital-Freeさん独自の世界観なのか分かりませんけどね。
柴田いまは世界観なんでしょうね。でもこんなやり方もできるんだよっていう。
久末すごく面白いですね。かつ、Magentoの事業もどんどん伸びて、すごく楽しみです。
柴田私自身もこういうめちゃくちゃなことやってるって思ってるんですけど、どういうゴールに向かっているのか楽しみだし、あまり考えない方が良いのかなとも思ってますけどね(笑)。
久末なるほど。
柴田余計なことを考えるときりがないですからね。余計なことは考えないようにしてます。
最後になにかありますか。
柴田フラッツさんも、うちもMagentoばっかりやってますけど、両者ともMagento社ではない。そのMagentoが人気無くなったらどうなるんだろうみたいなことも、一緒に考えていかないと行けないんでしょうね。しかも、インターネットの登場からだと思うんですけど、ビジネスの変遷も早くなっていて、つぎなるプラットフォームでもっとすごいのもいつか必ず出てくるでしょうからね。
久末いまはMagentoに集中ですよね。
柴田はい。いまはMagentoで全然行けると思いますね。
久末将来的には、スタイルは変わらないけれども。
柴田スタイルは変わらないんでしょうね。そういう意味で今既に何年も経っている会社さんだと、うちと同じスタイルはできないと思いますし、うちもそちらには戻れないですしね。
久末柴田さんのやりたいようにですね。
対談者プロフィール
柴田☆裕之 Digital-Free株式会社 代表取締役
ディズニーシー建設でペンキを塗る、オーストラリアやインドネシアでサーフィン三昧という経歴を経て、IT業界に中途採用枠から足を踏み入れる。
ネットワークやサーバーインフラのエンジニアリング、開発プロジェクトのPMやプリセールスを経験し、Digital-Free株式会社として独立。
MagentoによるECサイト構築を専門とした事業を営む。
Digital-Free株式会社: https://www.digital-free.net