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EC-CUBEとMagento 海外向け・越境ECに向いているのは?

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by Ethan Lofton some rights reserved

こんにちは。久末です。

最近、海外向けECを検討されている方から、「EC−CUBEで海外ECはできるか?」「Magentoはなぜ越境ECに向いているのか?」と、ご質問を頂くことがあるため、今回、EC-CUBEとMagentoが海外向け・越境ECに向いているのかまとめてみました。まず海外向けECの共通点とEC-CUBEの対応状況を述べ、Magentoについて最後にまとめています。

これまで私たちが見てきた海外向けECの構築事例には以下の3つの共通点がありました。

  • ターゲット毎に言語を使い分ける
  • 現地の通貨、日本円を使い分ける
  • 言語、ブランド毎にサイトを用意する

ターゲット毎に言語を使い分ける(多言語)

海外向けECとなると、買うのは海外の方です。

中国や台湾向けECサイトなら中国語(簡体字、繁体字)、英語圏なら英語、スペイン語圏ならスペイン語とサイトの訪問者に言葉を合わせています。

EC-CUBEは1つの言語(主に日本語)で使うことを前提に設計されています。つまり、現地の言葉を使う場合、システム内で使用している言葉を全て翻訳し、プログラムに組み込む必要があります。また、ターゲット毎に言語を切り替える場合は、言語毎に別のサイトを構築します。

現地の通貨、日本円を使い分ける(多通貨)

海外向けECサイトでは、現地の通貨への対応は時に重要な要素になります。

例えば、外貨で表示されているサイトで買い物をするとなると、自分で自国通貨に換算したり、実際にどのタイミングで、いくらで決済されるのか確認しなければなりません。(ただし特定の地域に特化していない場合や、利用者が日本円になれている場合は日本円の方が良い場合もあります)

私たちが携わった海外向けECサイトでは、

  • 現地通貨で表示して、現地通貨で決済する
  • 現地通貨で表示して、円で決済する
  • 円で表示して、円で決済する

の3つのパターンがありました。

EC-CUBEの場合、円を使うことを前提に設計されているため、多くの通貨がそのままでは使えません。

とくに小数点のある通貨はデータベースの定義から変更が必要です。この変更はシステム全体への影響が大きいため、カスタマイズしても正常に動作させるには細心の注意を払ってテストする必要があります。お金の絡むところだけに、不具合が起きたときにも直ぐに対応したいところですので、運営時も常に注意が必要です。

言語、ブランド毎にサイトを用意する(多サイト)

私たちが携わった海外向けECでは、複数の言語を使い分けたり、複数のブランド用のサイトを構築しています。

例えば、3つの言語(日本語、英語、中国語)で、2つのブランドのサイトを構築したいとなると、6つのサイトを構築することになります。この場合、 EC-CUBEでは、6つのサイトを別々に構築する必要があります。

また、その場合、データの共通利用ができませんので注意が必要です。例えば、商品データ(在庫数、SKU、商品情報、画像、その他)、サイトデザイン、メルマガテンプレ、カスタマイズ、etc… といったものは、6サイト分用意することになります。

また、全サイトを統合管理する場合、データを統合するシステムを別途構築するか、個別のショップにログインしてデータを集め、分析するといった運用をすることになります。

EC-CUBEの場合まとめ

以上の海外向けECでよくあるパターン(複数言語、複数通貨、複数ブランド)を見てきました。 このパターンを実現する3つの海外EC基本機能(多言語、多通貨、多サイト)をEC-CUBEで実現するには、構築時にカスタマイズする必要があることが分かります。また、構築時のコストの他に、個別のサイト運用のコストがかかることが分かります。

このようにEC-CUBEは海外向け・越境ECサイトを構築するために開発されたものではありませんが、実際に海外向けECでも使われているサイトもありますし、EC-CUBEで海外向けECサイト構築を請け負っている会社もありますので、あきらめないことが大事だと思います。

Magentoの場合

さて、この海外EC基本機能(多言語・多通貨・多サイト)ですが、Magentoでは全て標準機能になっています。

簡単にまとめると、

  • 多言語が使える(60以上の言語に対応。サイト毎、管理画面、担当者毎に言語の変更可)
  • 多通貨が使える(60以上の通貨に対応。表示通貨と決済通貨が変更可)
  • 多サイトが構築できる(言語毎、ブランド毎にサイト作成可)
  • データの共通利用ができる
  • データの分離ができる
  • 管理の分離と統合ができる

となります。

Magentoの場合、多言語、多通貨、多サイトが標準で利用でき、共通化したいデータと分離したいデータを柔軟に選択することができます。(共通化できるデータ、分離できるデータが多すぎるためここでは省略しています)つまり、多言語、多通貨を複数のサイトに分けられるだけでなく、それを1つのMagentoで効率的に運用することがきるということです。

さらに、画像やレイアウト、商品の種類、決済方法、送料、配送方法、キャンペーン、クーポン、ポイントなども、サイト毎にきめ細かく設定することができるため、ローカライズされた運用が可能です。

もちろん、実際に売れるかどうかは機能だけは決まりませんが、海外EC基本機能があることで、土台となるサイトが簡単に構築できてしまうというのは、海外向けECサイトを考えている(または乗り換えを検討している)方にとっては大きなアドバンテージになりそうです。

おまけ

海外向けECをはじめるにあたって、専用のECサービスもいつくかありますので、海外EC基本機能(多言語、多通貨、多サイト)が利用できるかどうかチェックしてみると良いかもしれません。


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