谷口です。今回は注文管理の比較の続きをします。前回の記事はこちらです。
Magento
決済ステータス連携
標準でPaypal決済のステータスの連携が可能です。Magentoの注文が「配送済」になれば「請求」ステータスに、「返金」情報を入力したら「キャンセル」になります。各種決済エクステンションでも、実装次第で連携させることが可能です。
誤操作対策
請求や配送ができないように「保留」という状態にできます。注文詳細画面では受注メール送信やキャンセルなど画面遷移なしで完了する操作は確認ダイアログが表示されます。画面遷移する操作では確認メッセージは出ません。また、注文一覧画面からの一括操作では確認メッセージは出ませんが、状態を戻せない操作もありますので、操作する際は注意が必要です。
配送先が複数指定されている注文管理
配送先毎に注文データが作成されるため、出荷情報や入金状況を配送先毎に管理ができます。もちろん各種帳票も別々に出力できます。
EC-CUBE
決済ステータス連携
標準では連携できる決済方法はありませんが、モジュールによっては連携できるものもあります。
誤操作対策
注文編集時には必ず確認のダイアログが表示されます。ただし、一括ステータス変更では確認メッセージは表示されません。
配送先が複数指定されている注文管理
1つの注文データが複数の配送先情報を保持する形になります。一方、注文のステータスは注文単位の設定となり、出荷情報や入金状況を配送先毎に管理ができないので、配送先によって出荷日が異なる場合などは運用カバーが必要です。また、帳票出力も注文単位で、複数の配送先の商品情報がまとめて出力されます。
Zen Cart
決済ステータス連携
標準では連携できる決済方法はありませんが、こちらもモジュールによっては連携できるものもあります。(ほとんど連携してくれないモジュールばかりですが。。)
誤操作対策
注文削除時のみ確認メッセージが表示されます。
配送先が複数指定されている注文管理
複数配送先指定の注文ができません。
まとめ
Magentoは注文データの操作によって、確認メッセージが出るものと出ないものがありますが、誤操作防止と利便性のバランスが取れていると思います。一括操作では利便性を優先し、個別の操作では誤操作防止を優先しているといった感じでしょうか。EC-CUBEは状態を戻せない操作がほとんどないので、確認メッセージが煩わしく感じることもあると思います。Zen Cartは削除以外は確認メッセージが出ないので、ステータスの変更などの操作時は注意が必要です。複数の配送先が指定されている注文の管理では、MagentoとEC-CUBEの管理方法が異なるので、運用方法によってどちらが適しているかが変わってくるのではないかと思います。 また、Magentoは決済代行会社との連携も意識されていて、コアのプログラムを修正せずに決済エクステンションの実装のみでデータ連携機能が実現できるようになっています。EC-CUBEやZen Cartは注文ステータス変更による決済代行会社との連携をしようとすると、連携の方法にもよりますが、コアのプログラムを修正する必要が出てきます。